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zoom RSS 自分が世界の主人公でないと気づいたのはいつだったか

<<   作成日時 : 2015/12/10 17:28   >>

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はてな匿名ダイアリーで,以下のような記事があった:

自分が世界の主役じゃないって気づいたのはいつだったか


これを読んで,井上靖の詩集「北国」所収の「流星」という詩を思い出した.日本ペンクラブ:電子文藝館 から記載する:

 
流 星

高等学校の学生のころ、日本海の砂丘の上で、ひとりマ
ントに身を包み、仰向(あおむ)けに横たわって、星の流
れるのを見たことがある。十一月の凍った星座から、一
条の青光をひらめかし忽焉(こつえん)とかき消えたその
星の孤独な所行ほど、強く私の青春の魂をゆり動かした
ものはなかった。私はいつまでも砂丘の上に横たわって
いた。自分こそ、やがて落ちてくるその星を己が額に受
けとめる、地上におけるただ一人の人間であることを、
私はいささかも疑わなかった。

それから今日までに十数年の歳月がたった。今宵、この
国の多恨なる青春の亡骸(なきがら)――鉄屑(てつくず)
と瓦礫(がれき)の荒涼たる都会の風景の上に、長く尾を
ひいて疾走する一個の星を見た。眼をとじ煉瓦を枕にし
ている私の額には、もはや何ものも落ちてこようとは思
われなかった。その一瞬の小さい祭典の無縁さ。戦乱荒
亡の中に喪失した己が青春に似て、その星の行方は知る
べくもない。ただ、いつまでも私の瞼(まぶた)から消え
ないものは、ひとり恒星群から脱落し、天体を落下する
星というものの終焉のおどろくべき清潔さだけであった。


この詩集についてはこのブログで何度か言及したことがある.私はこの詩集が本当に好きで,繰り返し読んだ.

私は多分,物心ついたときから,自分が世界の主人公であるとは思ったことはない.やがて落ちてくる星を,己が額に受け止めるにふさわしい人材とも思ってない.今後もそうだろう.

しかし,この世にはこの詩集を心から愛する人が数多く存在し,自分もその一人であるということを,いささかも疑ったことはない.世界における自分の役割とは,そんなところなのかもしれないし,それでいいではないかとも思ったりする.


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