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アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス)

私が本書「アルジャーノンに花束を」を初めて読んだのは、随分前になる。本書は何年か前に新版となったのだが、しばらく前に、改めて読みなおしてみた。そしてそのとき、以前読んだとは違う思いをしみじみ感じた。 今から思えば、前回この小説を読んだときは、人生の喜びも悲しみも分かっていなかった。もちろんそれは、今でも分かっていないのかもしれない…
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クリスマス・キャロル (チャールズ・ディケンズ)

いよいよ明日、元号が平成から令和に変わる。元号に意味はないと考えることもできるが、それでも一つの時代の区切りを表すものなのではないか。するとその移り変わりは、いわば生まれ変わりを連想させずにはおかない。そう考えるといろいろな物語のことが思い浮かぶが、このエントリでは、ディケンズによるクリスマス・キャロルについて書いてみたい。 と言…
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人生論ノート (三木清)

「人生論ノート」を初めて読んだのは、高校生くらいのときだったろうか。おそらく、ある世代には本書が必読書とされていたという、そんな話を小耳にはさんだのが、読むきっかけだったように思う。 しかし、ここに書いてある思想は、当時の未熟な私には響いてこなかった。必読書という言葉の押しつけがましさにも、反感を覚えたような記憶がある。 そ…
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さくらももこ氏死去

さくらももこ氏が亡くなりました: さくらももこ 公式ブログ - さくらプロダクションからお知らせです。 - Powered by LINE https://lineblog.me/sakuramomoko/archives/67300025.html 「ちびまる子ちゃん」は個人的に思い入れのある作品でした。 それにし…
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「痴呆老人」は何を見ているか (大井玄)

単純にいえば、認知症とは、知力、記憶力等のいわゆる認知的な能力が衰える症状である。しかし同時に、認知症は、人間とは何かという根元的な問題を、我々に問いかける存在でもある。 本書は、終末期医療の専門家である著者による認知症の入門書である。出版の経緯から、本書は、平易ではあるものの、類書より哲学的アプローチも試みられている。 こ…
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私をとりこにした三人の「女王さま」(宮尾登美子)

「心に灯(ひ)がつく人生の話」(以下、本講演集と呼ぶ)は、端的に言えば著名人の講演集である。もともとは、文藝春秋で行われた講演の中から選ばれたものが、単行本として出版された。また、文庫化の際、いくつかの講演が追加された。 そして、本講演集を読みなおしているうちに、所収の宮尾登美子の講演について、ブログを書いてみたくなった。 …
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イグアノドンの唄 ――大人のための童話―― (中谷宇吉郎)

twitter の代替サービスとして半年ほど前に話題になったものとして,「マストドン」 (https://mstdn.jp/ 等) がある.このマストドンは,少なくとも日本の一部では,未だにそれなりに支持されているようだ.そこで当時書こうと思ったのが,今回の記事である.例によって,遅きに失しているけれども. 中谷宇吉郎の随筆に,「…
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道祖問答 (芥川龍之介)

ウェブリブログはいつの間にか,90日間記事を書かないと特別な広告を強制表示するようになったようだ.どうしてもこれを消したいので,久しぶりにエントリを書いてみたい. twitter で,以下のようなツイートを見かけた. テクノ法要想像以上だった…!✨地元でこんな素敵なことしてる人いるなんて😆またお…
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文人悪食 (嵐山光三郎)

今年最初のエントリは,嵐山光三郎の「文人悪食」について書いてみたい.なお,この本については以前このブログで少しだけ触れたことがある(参照: 嵐山光三郎の本). 「文人悪食」は,37人の小説家について,それぞれの人生や作品と,食とのかかわりをまとめたものである.そしてそれは,私自身の品性下劣を自覚したうえで言うと,とてつもなく面白い…
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「銀と金」と「樽金王」

何年か前に Kindle を買ってから,本当に漫画をよく読むようになりました.漫画だけでも,Kindle で1000冊以上買ってます.こんなに大量に漫画を買ってしまった大きな原因は,やはり Amazon の[まとめ買い]というボタンのせいでしょう.このボタンは,まさに悪魔の発明ですよ.…と Amazon のせいにしてみたいところですが,…
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人間ピラミッドについて

以下の記事を読み,自治体の通告にも関わらず,いまだに危険な巨大組体操を続けている学校関係者に対して,腹が立った. 巨大組体操つづける学校 自治体禁止でも実施、最高段数を記録、頂点から垂れ幕…(内田良) - 個人 - Yahoo!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/2016…
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へんろう宿 (井伏鱒二)

以前,といってももう2か月も前になるが,私の note で,井伏鱒二について触れた.今回のエントリでは,その作品について,もう少し書いてみたい. 井伏鱒二の作品としては,「黒い雨」や,教科書にもよく載る「山椒魚」の二つが最も有名だろう.しかしながら,私がまず思いつくのは,「駅前旅館」や「へんろう宿」という,二つの小説である.この記…
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僕に踏まれた町と僕が踏まれた町(中島らも)

先日,生涯に一度の夜という記事を書き,それから連想して,中島らもによる「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」のことを書いてみたくなった.なおこの作品については,以前,本をあまり読まない中高生に薦めたい10作品(その2) でも少し言及した. 中島らもは,ほぼ団塊の世代であり,70年代のヒッピー文化や安保闘争の時代に青春を送っている.酒や…
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生涯に一度の夜(レイ・ブラッドベリ)

1, 2週間ほど前,HTTPのステータスコード451が話題になった. 政府の検閲で消されたページを表わす「451エラー」がスタート - GIGAZINE http://gigazine.net/news/20151222-http-status-code-451/ このステイタスコードは,レイ・ブラッドベリの「華氏451度…
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自分が世界の主人公でないと気づいたのはいつだったか

はてな匿名ダイアリーで,以下のような記事があった: 自分が世界の主役じゃないって気づいたのはいつだったか これを読んで,井上靖の詩集「北国」所収の「流星」という詩を思い出した.日本ペンクラブ:電子文藝館 から記載する:  流 星 高等学校の学生のころ、日本海の砂丘の上で、ひとりマ ントに身を包み、仰向(あおむ)…
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キリマンジャロの雪 (ヘミングウェイ)

翻訳調がどうも好きではないので,私はあまり外国文学を読まない.それでも何人かの外国人作家の作品についてはよく読んだ.ヘミングウェイはその一人である.ただ,今となってはその内容もあまり覚えてはおらず,長編以外で記憶に残っているのは,「インディアンの村」,「フランシス・マカンバーの短い幸福な生涯」,そして今日エントリにする,「キリマンジャロ…
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チョコレート戦争 (大石真)

先日エントリ(本をあまり読まない中高生に薦めたい10作品(その1),本をあまり読まない中高生に薦めたい10作品(その2))を書いているときに思ったのだが,私がよく覚えている児童文学や絵本は,食い意地が張っているからなのか,料理やお菓子に関するものが多いようだ.そのような作品の中でも,今回は,私の大好きな作品である「チョコレート戦争」につ…
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本をあまり読まない中高生に薦めたい10作品(その2)

(その(1)からの続きです) 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町 中島らもの作品として「ガダラの豚」がよくお勧めされますが,鉄板すぎてチョイスとしては食傷気味ですね.そのかわりに,ここではこの作品をお勧めしたいと思います.著者のエッセイ集ですが,ひとつひとつのエッセイが短く,本を読まない中高生でも気楽に読めると思います.そして,…
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本をあまり読まない中高生に薦めたい10作品(その1)

学生の皆さんはそろそろ夏休みですね.そこで,本を少しでも読んでもらおうと,某ブログ界隈では,中高生にすすめる作品リストというネタが一部で盛り上がっているようです.面白そうなので,私もエントリを書いてみることにしました. 方針としては,普段あまり本を読まない中高生に対して,読書に興味をもってもらえるような作品(なおかつ,似たようなブ…
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線香の火を消さなかった人

本ブログもめでたく(?)10周年の区切りを迎えた(参照: 「ブログ開設10周年となぜブログを書くかということ」).以前から,更新頻度が少ないことが気になっていたので,今後はちょっとしたことでもエントリを書くようにしたい. 最近,国立大学の人文系学部廃止の方向性が文科省によって提示されている.たとえば,以下のような記事である. …
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ブログ開設10周年となぜブログを書くかということ

ウェブリブログから年に一回の恒例のメールが送られてきましたので,恒例のエントリを書いてみたいと思います. 日付: 2015/06/18 8:03 件名: 祝ブログ開設10周年! ○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●   ブログを開設してから、もうすぐ10周年!! ●━…
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不機嫌ということと読書について

twitterでも呟いたのだが,中年になってくると,たとえば読書についても,残りの人生であと何冊読めるかといったことを,ぼんやりとでも考えるようになる(こうした思いについては,本ブログのエントリ「若い頃にしかできないこと」にも書いた).そうすると,浅ましい考えではあるが,面白くもない本を読む時間がもったいないと思うようになるのである.露…
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草ひばり(小泉八雲)

小泉八雲(以下,本名のラフカディオ・ハーンとする)は,多くの日本人が知るところの人物だろう.ギリシャに生まれ,さまざまな国を経た後,明治のころ日本に帰化し,日本の民話や特に怪談を蒐集して外国に紹介した.日本の長い歴史に基づく伝統や文化をこよなく愛したといわれ,それもあって,日本人による人気が高い人物ではないだろうか.私も,ハーンに対して…
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中谷治宇二郎と,人が生きているということ

前回のエントリでは,中谷宇吉郎のことについて書いた.宇吉郎には,治宇二郎(じうじろう)という弟がいた.中谷宇吉郎は有名であろうが,その弟の治宇二郎については,ネットではおそらくほとんど触れられていないのではないかと思うので,今回のエントリでは,治宇二郎のことと,それにまつわる思いについて書いてみたい. 中谷治宇二郎とその人となりに…
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中谷宇吉郎と寺田寅彦

中谷宇吉郎(なかや うきちろう)は,昭和初期の物理学者で,雪の結晶や人工雪の研究で知られている.また,随筆家としても知られ,多くのすばらしい随筆を残している.現在本として入手しやすいのは,「雪」「中谷宇吉郎随筆集」(いずれも岩波文庫)くらいだろうか.いずれも名著であり,このブログで紹介したいと考えていたのだが,それらについてはネットでも…
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水仙 (太宰治)

このエントリは,先日のエントリ(ブログ開設9周年と「水仙」(太宰治))の続きである. 太宰治の「水仙」は,あまり有名な小説ではないかもしれないが,太宰の作品の中でも佳品の一つだと思う.そして,作品中でも述べられているように,「水仙」は,菊池寛の「忠直卿行状記」を基にしている.忠直卿行状記は大変有名な作品でもあり,多くの方がご存知だ…
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ブログ開設9周年と「水仙」(太宰治)

先月,ウェブリブログから恒例のメールが送られてきた. 日付: 2014/06/18 08:03 件名: 祝ブログ開設9周年! ○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●   ブログを開設してから、もうすぐ9周年!! ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…
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私が47都道府県で連想する47作

以下の記事を読んで,非常に興味深く感じました. 47都道府県を象徴する47本の映画  http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20140518 そこで,文芸作品で同じようなことをしてみたくなったので,エントリを書くことにしました.ここでは,都道府県それぞれについて,私が今までに読んできた作品の…
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恋に恋する

以前 twitter でつぶやいた内容をここにメモしておきたい. 少し前になるが,はてなブログで,恋に恋するお年ごろといった内容のエントリを読んだ.それでいろいろと思うようなところがあったので,コメントするような内容のエントリを書こうかとも思ったのだけど,考えてみれば,それは私の柄ではない. その代わりといっては何だが,…
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STAP細胞報道に関するささやかな感想

ここしばらく話題(あるいは問題)になっている,STAP細胞に対する報道姿勢であるが,自分がささやかながら思ったことをここに記録しておきたい. 寺田寅彦の「雑感」という小品については以前本ブログでも触れたが(参照: 「博士号取得者が高校教師になるということ」),それに,以下のような記述がある.青空文庫から引用する.この文章の初出は,…
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