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zoom RSS ブログ開設9周年と「水仙」(太宰治)

<<   作成日時 : 2014/07/29 21:03   >>

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先月,ウェブリブログから恒例のメールが送られてきた.

日付: 2014/06/18 08:03
件名: 祝ブログ開設9周年!

○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
  ブログを開設してから、もうすぐ9周年!!
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○

ウェブリブログに登録してから、あと2日で9周年になります。
ウェブリブログ事務局のまーさです。
ご利用いただき、ありがとうございます!

A Day in the Life
http://dayinthelife.at.webry.info/


この9年間にあなたのブログで生み出された訪問回数は・・・

349162 件 になります。

(以下略)


個人的にはこのネタもそろそろマンネリのような気がしてきたのだが,考えてみれば,1年に1回このネタを書くだけだし,何年か続けてきたネタではあるので,今年も何か書いてみたい.

とにもかくにも,ブログ開設から9周年というような話を聞くと,よくも続いたものだと思う.もちろん,更新頻度は年々低くなってきているので,これで続けていると主張するのは恥ずかしいような気もするけれども,ブログを止めるつもりは全くなく,時間さえあれば書きたいことはまだいろいろとあるので,続けていると言ってもそれほど罰は当たらないだろう.

実際,このブログの管理ページでも,途中まで書いたエントリはいくつもあるし,また,ブログのネタを evernote にメモしてたりはするのである.しかし,当初は面白いと思った内容でも,多忙などのせいで放置すると,次第に面白いとは思えなくなってくる.そこで記事を書く気まで失せてしまうことはよくある.

…というのが,ブログを放置してしまう大きな理由の一つであるが,せっかく9周年記念メールも送られてきたことであるし,それをいいきっかけとして,頑張って一つのネタを蔵出ししてみたい.それは,はてな匿名ダイアリー(通称増田)に,3月の終わりごろに投稿された,以下のようなエントリである.もうかれこれ4か月前のことである.

2014-03-20
■好きな子が

お弁当の揚げ物の下にある敷きパスタ食べておいしいとか言ってた

もう無いわ、ドン引き
http://anond.hatelabo.jp/20140320140729



内容はたったこれだけである.つまり,市販の弁当にある敷物のようなパスタ(スパゲッティ)を食べるのは貧乏くさく見えると,この匿名ユーザは考えているわけだ.この敷きパスタや,敷き野菜は,その上に置く熱いおかずが弁当のプラスティックの容器を変形したりさせないようにするのが目的であると聞いたことがあるが,その真偽は知らない.いずれにせよ,それらを食べるのは貧乏くさいと言えば言えないこともなく,それがはてなユーザの琴線に触れたようで,はてなブックマークのコメントが非常に盛り上がっていた.

私も非常に面白く思ったのだが,同時に,太宰治の「水仙」という作品のある場面を思い出した.それについて,ブログを書いてみたいと思ったのである.

太宰の「水仙」におけるその場面は,以下のようなものである.以下の引用中「僕」とあるのは,内容が実話かどうかはおいておいて,作者太宰のことである.「僕」が,年始に知人の草田の家を訪れたときである.「僕」は作家として歓待されたのだが,その食事中,草田夫人から何故か冷たい扱いを受けてしまう.

僕は,もうそれ以上お酒を飲む気もせず,ごはんを食べることにした.蜆汁がおいしかった.せっせと貝の肉を箸でほじくり出して食べていたら,
「あら,」夫人は小さい驚きの声を挙げた.「そんなもの食べて,なんともありません?」無心な質問である.
 思わず箸とおわんを取り落しそうだった.この貝は,食べるものではなかったのだ.蜆汁は,ただその汁だけを飲むものらしい.貝は,ダシだ.貧しい者にとっては,この貝の肉だってなかなかおいしいものだが,上流の人たちは,この肉を,たいへん汚いものとして捨てるのだ.なるほど,蜆の肉は,おへそみたいで醜悪だ.僕は,何も返事が出来なかった.無心な驚きの声であっただけに,手痛かった.ことさらに上品ぶって,そんな質問をするのなら,僕にも応答のしようがある.けれども,その声は,全く本心からの純粋な驚きの声なのだから,僕は,まいった.なりあがり者の「流行作家」は,箸とおわんを持ったまま,うなだれて,何も言えない.涙がわいて出た.あんな手ひどい恥辱を受けたことがなかった.それっきり僕は,草田の家へは行かない.草田の家だけでなく,その後は,他のお金持の家にも,なるべく行かないことにした.そうして僕は,意地になって,貧乏の薄汚い生活を続けた.


見ようによっては,金持ちから貧乏作家が恥をかかされた場面であり,気の毒であると思うところかもしれないが,太宰らしいユーモアに満ちてもいる.私はこの場面を初めて読んだとき,大変面白く思ったので,記憶に残っていたのである.なお,蜆汁で,蜆の身を食べるべきではないかどうか知らないが,上流でもなく,なおかつ貧乏性の私は,当然太宰のように,蜆の肉をほじくっておいしくいただく派である.市販の弁当の敷きスパゲッティもおいしくいただくのは勿論のことである.



といった内容が,上記の増田記事を読んだときに感じたことであった.しかしながら,この「水仙」という作品は,太宰作品の中でも佳品の一つであり,また私の好きな作品でもある.上記の引用だけで終わるのは残念なので,次のエントリで,この「水仙」という作品について書いてみたい.…なるべく早めに記事を書いてみたいと思います.



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